「ないないない!!」
「ないないない!!!」
ある日仕事から帰ってきたらマミーが家の中を走り回ってる。
「ないないない!!!!!」
何かを探してるらしい。
ああ、そういえば学校の先生と面談がある日だったっけ。
面談の時間は17時。
現在の時刻は16時50分。
学校までは7~10分。
完全に遅刻である。
「どうしたの?」
と聞くと、
「財布がない!免許がない!運転できない!面談行けない!!」
「おいおいおいおい。」と、半ば呆れつつも思い当たる場所を探してみる。
車の中。ない。
カバンの中。ない。
キッチンベンチの上。ない。
「送るよ。とりあえず、面談行こう!」
とりあえず車に乗り込む僕ら2人。
元はと言えば面談はマミーだけが行くつもりだし、
ダディーでもない僕が行くのはそもそも場違いか?とも思いつつ、
一緒に来てるしなんとなくその場の勢いで一緒に行くことにしてみた。
先生から「今学期はこんなことをして、どんな感じで学校生活をしているのよ~」
なんてお話があり、
「ポエムを書くのがすごく好きみたいで、すごく上手に出来てるわね~」
というお褒めの言葉をもらった時にはこぼれるほどの満面の笑み。
「でも、計算が、決してできないわけでは無いみたいだけど、本人はあんまり得意だと感じてないみたい」
なんてお話が出た時には僕はかなり悔しい思いをしている自分に気が付く。
気づいたときにはマミーより前のめりに間違いなくなっていた。
不思議な感覚である。
自分の実の子では無いながらも、褒められれば自分の事のように感激し、
何か言われれば、自分の事のように悔しい。
絆というものなのか、愛なのか。
なんという言葉が正解なのかはわからないが、
また1つ、グッと子供との心の距離が縮まった気がした出来事でした。
ちなみに、探しに探し回ったマミーの財布は、
お布団をかぶって、寝てましたとさ。